
日本全国で親しまれているコメダ珈琲店。ふんわりとしたシロノワールやボリュームたっぷりのモーニングサービスなど、心地よい喫茶文化を提供し、多くのファンを魅了しています。
そんなコメダ珈琲店は、1968年に名古屋市で小さな喫茶店として誕生しました。個人経営からスタートし、のれん分けによって名古屋市内に店舗を拡大。その後、本格的なフランチャイズ展開を開始し、現在では全国に店舗を構える大手カフェチェーンへと成長しました。
都心の駅近ではあまり見かけないコメダ珈琲ですが、意外にもカフェチェーンの店舗数ランキングで堂々の3位を誇ります。さらに驚くべきことに、その店舗の99%がフランチャイズ加盟店として運営されています。
では、なぜコメダ珈琲店はフランチャイズとしてこれほどの成功を収めているのでしょうか? その魅力や人気の秘密を詳しくご紹介します。
初期費用を本部が負担してくれる神サポート
コメダ珈琲のフランチャイズオーナーを目指す方にとって、店舗の開業資金は大きな課題の一つです。特に、建築費や内装費などの初期投資が高額であるため、開業を断念してしまうケースも少なくありません。そこで、コメダ珈琲では「建築支援制度」を導入し、開業のハードルを大きく下げる仕組みを整えています。
「建築支援制度」は①建築工事費の一時負担と②リース契約による設備導入の2つがあります。
建築工事費の一時負担
新規店舗を開業する際に最も大きな負担となるのが、建築工事費です。これには、建物の建築費用や内外装の工事費、設計費などが含まれます。
コメダ珈琲では、これらの費用を一時的に本部が負担し、オーナーが店舗を借りる形で運営できる仕組みを採用しています。つまり、オーナーは自ら大きな初期投資を行わずに、店舗運営をスタートすることができるのです。
リース契約による設備導入
飲食店の運営には、椅子やテーブル、厨房機器など、多くの設備が必要です。これらの設備をすべて購入すると、多額の資金が必要になります。しかし、コメダ珈琲ではリース契約を活用することで、これらの設備にかかる初期費用を抑えて導入することが可能です。
このような建築支援制度は、すべてのフランチャイズ本部が簡単に導入できるわけではありません。特に、創業間もないフランチャイズ本部では、十分な資金力がないため、建築費を負担するのは困難です。
しかし、コメダホールディングスは上場企業であり、業績も非常に好調であるため、このような制度を提供できる財務的な余裕があります。そのため、資金面での不安を抱えるオーナー候補に対しても、安心して開業に踏み切れる環境を整えているのです。
未経験でも安心!加盟金が免除される独立支援制度
飲食業界未経験の方にとって、いきなり自分の店舗を持つことは大きな不安要素となります。そこで、コメダ珈琲では「独立支援制度」を設け、オーナーとしての独立を強力にバックアップしています。
給与をもらいながら学べる仕組み
独立支援制度では、オーナーとして独立するまでの期間、コメダ珈琲の社員として給与を受け取りながら勤務することが可能です。実際の店舗業務を経験しながら、飲食業の知識や経営スキルを習得できるため、未経験者でも安心して独立を目指せます。
加盟金や研修費の免除
コメダ珈琲の独立支援制度を利用すると、フランチャイズ加盟時に必要な費用の一部が免除されます。
加盟金:300万円 → 免除
研修費用:50万円 → 免除
この制度を活用することで、初期費用の負担を大幅に軽減できるのは大きなメリットです。
資金調達のサポート
個人で飲食店を開業する際、特に課題となるのが資金調達です。コメダ珈琲本部は金融機関と連携しており、オーナーが必要な資金を調達しやすいようにサポートを行っています。業界未経験者でも、スムーズに資金を集められる体制が整っています。
独立支援制度を利用して開業するには、原則として1年以上はコメダ珈琲の社員として勤務する必要があります。その間に経営ノウハウを学び、資金を貯めながら独立に向けた準備を進めていくことになります。
FCオーナーのモチベーションUP!定額制のロイヤリティ
フランチャイズといえば、ロイヤリティの存在が大きなポイントとなります。フランチャイズとは、お店を経営したい人が、調理や接客、店舗運営のノウハウを本部から提供してもらい、それを活用して店舗を運営する仕組みです。このフランチャイズのメリットを享受するために支払うのが、ロイヤリティです。
通常、飲食業界のフランチャイズでは「売上の〇%」といった形でロイヤリティが設定されており、店舗の売上に応じて支払う金額が決まります。この方式では、売上が上がるほどロイヤリティも増えるため、一生懸命努力して売上を伸ばしても、その分の支払いが増えてしまうことになります。結果として、売上が好調な時ほど経営者の負担が増し、モチベーションの低下につながる可能性があります。
こうした課題を解決するために、コメダ珈琲では「定額ロイヤリティ制度」を採用しています。この制度では、店舗の売上に関係なく、店内の席数に応じて決まった額のロイヤリティを支払う仕組みです。そのため、売上が増えたとしても追加のロイヤリティ負担はなく、頑張った分がそのまま利益として店舗に残るメリットがあります。
この定額ロイヤリティ制度により、経営者の負担を軽減し、開業時の初期費用を早期に回収しやすくなっています。実際に、5〜7年で初期投資を回収できるオーナーもおり、経営の安定化が見込める仕組みとなっています。
コメダ珈琲のフランチャイズは、ロイヤリティの負担を抑えつつ、経営の自由度を高めたい方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
コメダ珈琲の気になる店舗推移と売上高推移
コメダ珈琲は名古屋発祥のブランドであり、中京地域に最も多くの店舗を展開しています。しかし、近年はテレビやSNSで取り上げられる機会が増えたこともあり、直近2年間で東日本・西日本の店舗数が中京地域を上回る状況となっています。また、全体の店舗数も引き続き増加傾向にあります。
コメダ珈琲は、高い天井や大きな採光面を活かした明るく開放的な空間、適度な席間距離や間仕切りによるプライベート感の確保など、店舗設備・内装に関するノウハウ・こだわりにより、温かみがあり居心地の良い店内空間を実現し、お客様がゆっくりとくつろげる環境を整えたことが、店舗数拡大の一因となっています。
また、店舗数の増加によって市場が飽和し、店舗間で顧客を奪い合う状況に陥るのではなく、全店売上高も順調に伸びており、コメダ珈琲全体が成長を続けていることが確認できます。


加盟に関する費用について
コメダ珈琲の加盟に際して、以下の費用が発生します。他のフランチャイズと比較して、加盟保証金が特徴としてあります。連帯保証人がいなくてもフランチャイズの加盟自体は可能であるものの、加盟保証金が重たいコストとなります。
初期費用を極力抑えるためにも、「建築支援制度」や「独立支援制度」を上手く活用していきましょう。

コメダの安定した財務
フランチャイズに加盟する際は、本部の財務状態が健全であるかを確認することが重要です。フランチャイズ本部の財務が不安定な場合、運営が立ち行かなくなり、十分なサポートが受けられなくなる可能性があります。
株式会社コメダホールディングスは上場企業であり、純資産額は約431億円にのぼります。また、コロナ禍においても黒字を維持しており、強固な財務基盤が構築されていると考えられます。
コメダの撤退店舗数と訴訟件数
フランチャイズに加盟を検討するにあたり、撤退店舗数と訴訟数は必ずチェックする必要があります。撤退する店舗の数が多ければ、そのフランチャイズがそもそも世間から必要されていないことや、本部から十分なサポートを受けられていない可能性があります。また、フランチャイズ本部への訴訟件数が多いと、フランチャイズ加盟時の説明に虚偽や不備がある、本部として求められる機能を果たせていないなど重要な欠点が潜んでいる場合あります。フランチャイズ本部から受けるプラスの側面を見るのではなく、マイナスな部分こそ用心深くチェックしましょう。
